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診療部 ― 整形外科

手の治療

ばね指(弾発指、屈筋腱腱鞘炎)の治療について

指を曲げる腱の通り道である腱鞘で炎症が生じ、痛みや指の動かしにくさが生じます。

(日本手外科学会 代表的な手外科疾患より)

症状としては、指の根本の痛みから始まり、経過が長くなると引っかかり(ばね現象)を生じます。放置すると指の第2関節(親指なら第1関節)が伸びにくくなることがあります。親指と中指に多く、原因としては使いすぎの他に糖尿病や女性ホルモン減少が影響していると言われています。レントゲンや超音波検査で診断を行います。ストレッチや注射で改善しない場合、当院では日帰り手術が可能です。

手根管症候群の治療

(日本手外科学会 代表的な手外科疾患より)

手のひらにある神経の通り道が狭くなり、指のしびれや動かしにくさを生じます。
しびれは親指、人差し指、中指、薬指の親指側半分に生じることが多く、経過が長いと親指の根本の筋肉が痩せてしまい、物をつまみにくくなります。原因は様々ですが、透析患者さんに多いほか、ばね指と同じように糖尿病や女性ホルモン減少が関係していると言われています。レントゲン、超音波検査の他、神経伝導速度検査を行い診断と疾患の程度の確認を行います。ステロイドの内服や手関節の安静などで経過を見ますが、特に筋肉が痩せ始めているような場合は、早期に手術をしたほうがよいこともあります。当院では日帰り手術が可能です。

手指の関節症の治療

(日本手外科学会 代表的な手外科疾患より)

「へバーデン結節」「ブシャール結節」「母指CM関節症」などと呼ばれます。
手指の関節は下肢の関節のように体重がかかりませんので、進行は非常にゆっくりで、症状もそこまで強くはないことが多いです。しかし毎日使うことから、症状が出るころには比較的進行した状態であり、なんらかの治療が必要となります。

装具治療 テーピングや装具作成で経過をみます。例えば母指CM関節症の場合、オーダーメードの装具を作成し、約3か月就寝時を中心に装着して頂きます。痛んでしまった軟骨が再生することはありませんが、局所の安静により炎症が抑えられ、手術加療を回避できることが多いです。
薬物療法 変形性関節症に適応がある消炎鎮痛薬を使用します。腫れが強い場合はステロイドを併用することもあります。が、生涯にわたって使用し続けるべきではないと考えますので、3か月程度の内服を経て症状が改善しない場合は手術加療を勧めることがあります。女性ホルモンの減少が発症と関連していることが分かっており、特に女性にはサプリメントを勧めさせて頂くことがあります。
手術療法

上記保存加療が奏功せず、患者さんと相談の結果手術を行うことがあります。患者さんの指の使い方、趣味やお仕事に応じて様々な手術方法から相談して決定します。関節を動かないように固定する方法、骨を切って新しい関節を作成する方法、また非常に小さな人工関節を使用することもあります。これらの手術は手術時間や患者さんの体への負担を考慮し、入院と全身麻酔を勧めることが多いです。

当院での日帰り手術の流れ

  1. 1手術日決定

    術前検査として採血、心電図でお体の状態を調べます。糖尿病のコントロールが悪い、不整脈がある、といった場合はそちらの治療を優先して頂くことがあります。当院スタッフより手術当日の説明があります。外来リハビリの予約をお取りします。

  2. 2手術

    外来受付後、手術室へお越しいただきます。ばね指の手術は約10分で終了します。手術室の滞在時間は30分程度です。痛み止め、化膿止めのお薬の処方箋をお渡しします。三角巾を着用し帰宅します。

  3. 3術後経過

    術翌日に創部の確認を行い、外来リハビリテーションを開始して頂きます。8日目に抜糸、翌日より傷口をぬらすことができます。リハビリは週1回、1か月程度が一般的、経過によっては延長の相談をします。ばね指の術後では3か月の定期診察で問題がなければ終診となります。

日帰り手術費用

本人負担1割の場合 本人負担3割の場合
ばね指 2,500円 7,500円
手根管症候群 5,000円〜10,000円 15,000円〜20,000円