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診療部 ― 外科

外科ロボット手術

外科ロボット手術

ダヴィンチは高度なロボット工学技術を駆使した、最先端の手術支援ロボットです。8mmの小さな孔に内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、非常に繊細で緻密な内視鏡手術手技を実現します。術者は3Dモニター画面で、術野に手を入れているような感覚で手術を行います。高解像度の拡大3D映像をもとに、手ブレのない手術手技が可能であるため、「人間の目と手の限界を超えた手術であり、現時点では最高レベルの低侵襲手術」と言えます。傷が小さいため術後の痛みも少なく、早期離床が可能なため社会復帰が早い特徴があります。

千船病院では、第4世代と言われる最新モデルのダヴィンチXiを導入しており、当科では2021年より直腸がん、2022年より結腸がん、鼠径ヘルニアに対するロボット支援下手術を開始いたしました。

ロボット手術の特長

  • 1身体への負担が少ない

    開腹術とロボット⼿術の傷を⽐較した図⽰(直腸がんの場合)

    ロボット手術は、「患者さんの体に優しい低侵襲手術」と言えます。
    まず傷は4-5カ所の8mmの小さい傷なので、術後の痛みが少なく、手術の当日には歩くことが可能です。翌日にシャワーを浴びて頂くことも珍しくありません。早期離床は「腸閉塞」や「血栓症」の予防に、シャワーは「感染症」の予防に有効です。もちろん早期退院を推奨しており、患者様からは「びっくりするほど早く、自由に動けるようになって満足。」「術後1週間で仕事復帰できた。身体への負担の少なさを実感する。」などの感想を数多くいただいています。

  • 2高画質の3D画像

    – 両眼視による立体的な視野(3D)

    高画質3Dカメラで、10-15倍の拡大視野で手術します。髪の毛を、iphoneのコードくらいの太さで認識できる視覚情報が得られ、肉眼では見落とすような細い血管を凝固止血し、ほぼ無血で手術を進めることが可能です。人間の目の限界を超えたロボット手術が、いかに緻密で正確な手術なのかがお分かりいただけると思います。

  • 3緻密な手の動きを再現

    術者の手の動きと全く同じ動きを、ロボット鉗子が再現します。さらに、コントローラーを5㎝動かしても、鉗子は1㎝しか動きません。つまり鉗子は人間の手の5倍、細かい動きができるのです。
    また、鉗子には関節があるので、可動範囲が広く、手の限界を超えた動きが可能で、手ブレすることもありません。手術というのは非常に細かい手技の連続ですから、人間の手の限界を超えたロボットの動きは驚くほど有用です。

■胃がんロボット手術の特徴

癌に対する手術では、癌とリンパ節の確実な切除が第一ですが、腹腔鏡の登場で腹腔内の臓器を拡大視することが可能となり、胃癌に対する手術の質は向上してきました。ただ、リンパ節が大きい場合や肥満があるなどの場合に腹腔鏡の直線的な機器では操作部位にうまく到達出来ない、先端のぶれが大きくなり精密な操作を行いにくい場合や、視野が取りづらいという場合がありました。「コンピューター制御下に精密な操作を行うことができる手術支援ロボット」を用いることにより胃がん手術の質が格段に向上する可能性があります。胃の手術に対するロボット支援手術は良性疾患に対する手術を含めて比較的幅広く保険収載となっていますが、行ってよいとされる施設基準(胃切除術年間50例以上)のハードルが高いため、まだ導入されている施設は多くありません。当院では良性疾患に対するものも含めると平均して月10例の胃の手術を行っていますが、ロボット手術の導入によりさらに精密な手術が可能になると考えています。

■大腸がん(直腸がん、結腸がん)ロボット手術の特徴

ロボット手術は高画質の3Dカメラを使用して、拡大視野で対象物に近接視することがで き、細かな血管や神経も認識することができます。手術器具の先端は多関節で自由に動かすことができ、手ブレを抑える機能も備わっているので細かな血管を繊細に処理して、出血量を少なくすることができます。
直腸癌手術においては直腸に密接している自律神経の温存が、術後の排尿機能・性機能の保持に非常に重要であり、この点においてもロボット手術では他の手術アプローチと比較して優れていると言われています。
大腸がんロボット手術は直腸癌手術では2018年より、結腸癌手術では2022年より保険適応となっておりますので医療費にも安心して治療をうけていただけます。

■ヘルニアロボット手術の特徴

腹壁ヘルニア修復術において再発と慢性疼痛という2つの問題をできる限り減らすために、良好な視野の中で十分な剥離を行い、メッシュを適切な位置に広げる必要があります。そもそもが、”壁”や”天井”にあたる部位の修復ですので、腹腔鏡用の直線的な鉗子では操作が行いにくかったり、左手を強い牽引に使用した状態で、右手でミリ単位で繊細に切離するような動きの際に手ブレが生じたりすることがありました。腹腔鏡では多少無理な体勢でもなんとか操作していたことが、ロボットを使うことによって術者は座ってロボットアームを自在に操ることが可能になります。ヘルニアに対するロボット手術は、海外では急激な勢いで広まっており、本邦ではまだ保険収載はされていませんが先進的な施設では取り入れられています。当院でも、より精緻なヘルニア手術をご希望される方に自費診療で行っています。

ロボット手術認定医

  • 北浜 誠一

    2002年 京都大学医学部卒業

    資格

    • -日本外科学会外科専門医
    • -日本消化器外科学会消化器外科専門医
    • -日本内視鏡外科学会技術認定医(食道)
    • -手術支援ロボットda Vinci術者認定
    • -Bariatric and Other Advanced Laparoscopic Surgery Fellowship修了
      (減量外科および逆流性食道炎など高難度手術トレーニング),米国
    • -Minimally Invasive Surgery Fellowship修了
      (内視鏡外科手術トレーニング),ベイラー医科大学、ヒューストン、米国
      米国での臨床経験あり、英語対応可能です。
    • -Training for OverStitch™ Endoscopic Suturing System修了,
      (腹腔鏡下縫合内視鏡手術トレーニング)
  • 大浦 康宏

    2002年 香川医科大学医学部卒業

    資格

    • -日本外科学会外科専門医
    • -日本消化器外科学会消化器外科専門医
    • -日本消化器病学会消化器病専門医
    • -日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)
    • -手術支援ロボットda Vinci術者認定
    • -日本がん治療認定医機構がん治療認定医

ロボット手術認定臨床工学技士

ダビンチ・コーディネーターの資格を有するダビンチシステムの認定臨床工学技士1名がチームを構成しています。
術者、麻酔科医、看護師、臨床工学技士のロボット手術チームが、専門的な知識と技術で皆様の手術をお守りします。

  • 沖田 新一

    資格ダビンチシステム認定臨床工学技士

当院で実施可能な疾患と術式

疾患名 術式
胃がん
直腸がん
結腸がん
鼠径ヘルニア
胃全摘術、胃切除術
直腸切除術
結腸切除術
鼠径ヘルニア修復術

※状態により実施できない場合もあります。

公的医療保険による費用

年齢による自己負担の割合

70歳未満 3割
70歳~75歳 2割/3割
75歳以上 1割/2割/3割

高額療養費制度について

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で自己負担額を超えた場合に、その超えた額を支給する制度です。
手術費等を含む高額な診療が見込まれる場合は、窓口での自己負担額を軽減する制度があります。(自己負担限度額は、治療を受けた方の年齢と所得水準に応じて異なります。)

窓口負担軽減について