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ちぶねNOW

2025.07.22

救急センター受診について

救急センター受診について

ここがポイント

  • 当院救急センターの現況

    当院の救急センターでは2024年度、のべ11,322名の診療にあたりました。

  • 救急センター受診に際して

    救急センターでは、トリアージにより重症度が高い患者さまの診療が優先されることがあります。

  • 選定療養費について

    外来診療と同じく、救急センターでも初診料とは別に7,700円(税込)の選定療養費が発生する場合があります。

  • 119番通報するべきか判断するには

    本当に必要なときには勇気を持って救急に通報を。判断に迷ったときには、#7119で24時間電話相談が可能です。

  • 119番通報するにあたり

    119番で救急車を呼ぶ際に伝えるべきこと、確認すべきことについて解説します。

目次

1当院救急センターの現況

当院救急センターの現況

当院は西淀川区で唯一の二次救急病院です。当院の救急センターでは超緊急を要する大動脈瘤の破裂などの疾患、または多発外傷などの重篤患者を除いた救急症例に対して診療を行っております。超緊急を要する症例に関しましては、いわゆる救命救急センター(三次救急病院)に対応していただくことになります。

こういった状況下で当院の救急センターでは2024年度、救急車による搬送患者さま5,476名、直接来院の患者さま5,846名の合計11,322名の診療にあたりました。救急搬送患者さまのうち2,347名・約43%を内科が占め、以下脳神経外科764名、産婦人科729名、整形外科694名、小児科675名、外科171名と続きます。

以前は救急の多くを占めていた交通外傷はめっきり減り、高齢化に伴った高齢者の疾患が増えていることが社会情勢を物語っています。

また周産期の救急が多いのも当院の強みをいかした診療体制のたまものです。

診療時間外(夜間)に受診される患者さまは救急患者数全体の約70%、救急搬送は約65%と時間外の診療患者さまが多いという現実があります。

2救急センター受診に際して

救急センター受診に際して

病院に来られる患者さまは病気や怪我などを抱えておられるので、しんどいつらいといった方が多くおられます。こういった方が病院へ来られた後、待つだけでもつらいということは重々理解させていただき、できるだけ早い対応をさせていただくよう工夫、努力させていただいております。

しかし残念ながらマンパワーや設備の問題等からすべての患者さまにご満足いただけるのはなかなか困難であり、ご不自由をおかけすることもあるかと思いますが、何卒状況をご理解いただけますと幸いです。

こういった点に対して救急センターが行っている取り組みの一つに院内トリアージというシステムがあります。

これは来院されお待ちいただく間に、特に患者さまの来院が重なっている際にまず看護師がお話を伺いし、患者さまの緊急度を判断し診療の順をきめることで、重篤な患者さまの診療が遅れないようにするシステムです。

ご存じの方も居られるかもしれませんが、トリアージとは、災害現場での診療時に提案されたシステムで、同時に多くの傷病者が発生したときに重症の程度を判断し、患者さまの治療の優先度を決定するというものです。

これにより重症度が高い患者さまの診療を遅れることなくスムーズに行うべく努めています。

残念ながらこの結果、やや軽症の患者さまにはお待ちいただく時間が長くなることもありご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、ご容赦いただければ幸いです。

3選定療養費について

選定療養費について

これは国が病院の機能ごとに患者さまを分担し、大きな病院に患者さまが集中しないように定めた制度で、地域医療支援病院である当院にも当てはまります。

したがって、救急センターを受診される際には通常の外来診療と同じく、初診料とは別に7,700円(税込)の選定療養費が発生する場合がございますのでご理解ください。選定療養費の導入には、緊急性を要さない患者さまが病院の救急センターに来られて重篤な患者さまの診療が遅れることがないようにといった意図もあります。

熱が出てしんどいけど、いつもの風邪かな?ケガしたけど緊急で処置しないといけないことはないかな?といった方は、お近くの診療所・クリニックを受診いただければ幸いです。

診療所・クリニックを受診いただき、当院での診療が必要であると判断された場合は、紹介状をいただくことで選定療養費はかかりません。

日ごろからかかりつけの医院をお持ちいただき、何かの際にはご相談できるようにしておかれるのがよいかと思います。

4119番通報するべきか判断するには

119番通報するべきか判断するには

日ごろから、皆さまには救急車の適正利用にご協力いただきありがとうございます。

2024年、大阪市では年間218,726人の救急搬送がありました。約4分に1件の搬送が発生している計算になり、年々増加の一途をたどっています。ほとんどの方が救急車を適正にご利用していただいている一方で、足が痛くて歩けないと駆け付けたら靴擦れだったとか、熱が出てしんどいけど病院に行く足がないといった安易な119番通報もまだあるのが現実です。足がないから救急車を呼びましたというような利用は、本当に救急処置が必要な方の搬送の妨げになるのでやめていただきたいものです。

一方で、救急車を呼ばないといけない状態であるのにこんなことぐらいでとか、近所に恥ずかしいからという理由で救急車を呼ばれない方も一定頻度でいらっしゃいます。

逆の話になってしまいますが、救急の時には119番に電話する勇気を持ってください。

人生で初めて経験するような激しい頭痛はくも膜下出血が疑われますし、胸あるいは背中に杭が刺さるような激痛は大動脈解離が疑われます。また、突然胸の中央部から全体にかけて締め付けられるような激しい痛みや圧迫感は、心筋梗塞の可能性があります。このような状況では、迷わず119番通報してください。

とはいえ、なかなか一般の方が救急車を呼ぶべきかどうか判断に迷うことも多いかと思います。そんな時は厚労省のホームページ(https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html)が参考になります。

また#7119に電話をすれば相談員に24時間相談にのってもらえるので、知っておくと安心でしょう。

5119番通報するにあたり

119番通報するにあたり

いざ119番に電話するとなると、慌てて緊張してしまいます。慌てずに正確に伝えるよう心がけましょう。以下にあらかじめ知っておくと役に立つことを記載します。

119番に電話をすると、<火事ですか、救急ですか。>とまず聞かれます。119=救急だけではないことを知っておくと慌てません。

救急ですと答えると、どうされましたと聞かれるので、『誰誰がこういう状態です』ということをまず端的に伝えるとスムーズです。あわてると事故の状況や倒れた経過などを長々と話しがちになってしまいます。『おじいちゃんが玄関で転んで動けなくなりました。』『父が突然倒れて意識がありません。』『熱が出ていた子供がひきつけを起こしました。』といったように現状を端的に話すと、救急指令にうまく伝わります。

次に症状を的確に伝えるうえで重要なキーワード、症状をお伝えします。

1番は意識の有無です。2番目は呼吸の有無です。意識は最も重要です。眠っているのではないかは確実にチェックしたいものです。

呼吸は一般の方には難しいチェックポイントです。しっかりと普通の呼吸をしていればよいのですが、呼吸が弱い時やしゃくるような呼吸の場合の判断に困ります。呼吸が弱いと思われる場合は胸の真上から全体的な胸の動きを見たり、自分の顔を傷病者の胸に近づけて胸、おなかの動きを見たり、鼻息などを聞き取ることが必要となります。

また、下顎を動かしてしゃくりあげるような呼吸が不規則にある場合、呼吸をしていると思いがちになりますが、死戦期呼吸といわれる心停止の時のいわゆる断末魔的な呼吸のことがあります。意識がない方でのこういった呼吸は心停止と考えられますので、意識がなく、しゃくりあげるような息が見受けられる場合は、そういった状態を救急司令員に伝えることが非常に重要です。

とくに身内の方の急変時には、“悪い状態だとは思いたくない”という意識が働き、息をしていると思いたくなりますが、救命処置が遅れるほどに生き返らせる可能性が下がります。難しいことですが、冷静な判断が必要になります。

重要なことが端的に救急司令員に伝われば、後は向こうからの質問にできるだけ手短で的確に伝えるようにしてください。

6さいごに

さいごに

今回は当院救急センターの現況と、皆さま方に有効に救急センターを利用していただくためのポイントをいくつかご説明させていただきました。

今後も地域の方々の健康を守るため24時間体制で救急医療が展開できるよう日々邁進していきますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

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