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診療部 ― 脳神経内科

治療について

認知症の治療について

認知症をきたす病気や原因は様々ですが、代表的なのは上図の4つの病気となります。当科では、原因特定に努めるとともに、それぞれの病状に合わせた治療をご提供しています。

検査方法

認知症の診断には、計3回の通院が必要です。

1日目 問診、血液検査
2日目 脳画像検査(CT、MRI、SPECT)、神経心理学的検査
3日目 結果説明、環境調整

治療方法

アルツハイマー病

日本の認知症患者の半数を占める、最も多い認知症です。男性よりも女性に多く見られ、患者数は増加しています。アルツハイマー型認知症の脳の変化は、記憶の入り口と言われる「海馬」から始まります。初期はもの忘れ(エピソード記憶障害)を認め、中期に入ると現在と過去の区別がつかなくなることもあります。また、物をしまったこと自体を忘れてしまうので「盗まれた」などの妄想が出やすくなります。さらに後期になると脳の萎縮が進み、意味のある言葉はほとんど話せません。摂食障害や嚥下障害がみられ、食事には介護が必要になります。歩くことが難しくなり、寝たきりになってしまうことも少なくありません。そのため当科ではできるだけ早期に確実な診断を行い、治療(薬物療法・非薬物療法)を開始しています。また、必要な患者さんに対しては環境調整(介護保険申請などのサポート)も行っています。

レビー小体型認知症

日本ではアルツハイマー型認知症に次いで多くみられます。1984年に横浜市立大学の小阪憲司医師が発見しました。 レビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質が作られることで、正常な神経細胞が壊されてしまい、発症します。初期には、もの忘れよりも本格的な「幻聴」や「幻視」が見られるのが特徴です。パーキンソン病と似た症状も見られます。治療としては、抗認知症薬や抗パーキンソン病薬を少量用いて症状の安定化を図ります。また、転倒予防に下肢のリハビリが推奨されます。

前頭側頭葉認知症

前頭葉は、感情のコントロール、理性、計画、状況把握などを司っています。また、側頭葉は、言葉の理解や記憶、嗅覚や聴覚を司る部分です。この部分が委縮するため、性格の変化や常識はずれな行動が見られます。他人や社会に関心が無くなり、反社会的な行動を起こしたり、愛情・愛着が薄れ、身だしなみに無頓着になったりします。また、同じことを続ける、同じものを食べ続けるといった行為が出ることもあります。特効薬がないのが現状ですが、安定剤などで症状を軽くすることを行う場合もあります。

脳血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を起こしたあとに、後遺症として発症する認知症です。記憶障害が進んでいるのに、理解力や判断力が失われていない「まだら認知症」といった症状がでることや、感情のコントロールができなくなるのも特徴です。 脳梗塞後遺症に準じた治療(内服、リハビリ)を行い、経過を見ることが一般的です。

脳卒中(脳血管)の治療について

脳卒中とは、脳の血管が急に詰まったり破れたりして起こる病気です。血管が詰まる病気としては、脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、血管が破れる病気としては脳内出血、くも膜下出血が挙げられます。脳のどの部位が病気になるかにより、手足や顔の麻痺・しびれ、言語障害、視覚異常、めまい、頭痛など多彩な症状が出ます。わが国においては従来、出血性脳卒中(くも膜下出血・脳内出血)が多かったのですが、その主な原因である高血圧の治療が広く行われるようになったために近年は減少しています。しかし一方、食生活の欧米化などにより脳梗塞が増加し、現在では脳卒中の8割近くを脳梗塞が占めています。

治療方法

頭部CT・CTアンギオ、頭部MRI・MRアンギオ、頚動脈エコー、心エコー、脳血流シンチグラフィー(SPECT)などの検査を行い、きめ細かく病態評価を行ったうえで治療方針を決めています。

嚥下障害の治療について

食べ物が飲み込みにくくなったとの自覚や、食事の時のむせが現れます。嚥下に関わる器官は発声・構音機能にも関係するため、これらの状態も嚥下機能の参考になります。中枢神経障害などでは嚥下困難の訴えがない場合もありますが、食事の状態で判断することもできます。また、誤嚥の有無は飲み込んだあとのむせや咳、食後によく痰が出るなどから判断できます。水を飲んだあとに痰が絡んだような声が出る場合には、喉頭(声門)まで食べ物が侵入していることが考えられます。気道反射の低下している場合には、むせは認められず、さらに肺炎を起こしやすい状況になるので注意が必要です。

検査方法

嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)

治療方法

嚥下障害の治療法としては、高齢者ではほとんどの場合リハビリテーションでの改善を図ります。リハビリは間接訓練(食べ物を使わずにする訓練)と直接訓練(食べ物を使う訓練)に分けられます。一般的には間接訓練から開始し、回復の状況に応じて直接訓練の機会を増やしていきます。