写真家・奥田 真也が長期密着「NICU」の日常
千船病院は大阪府が認定した17の「地域周産期母子医療センター」の1つである。地域周産期母子医療センターとは、産科・小児科(新生児)を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を常時担う医療機関を意味する。
千船病院では年間約2300件以上の分娩を扱う日本でも有数の分娩施設であり、関西では数少ない24時間無痛分娩に対応している。また大阪府周産期医療システム(大阪府産科婦人科相互援助システムOGCS)の準基幹病院として母体胎児集中治療室、新生児集中治療室(NICU)を備え、大阪府内、兵庫県内から「集中治療が必要な妊婦」を受け入れている。
千船病院のNICUでは早産児〈在胎37週未満で生まれた赤ちゃん〉や出生体重300グラム台の超早産児〈在胎28週未満で出生〉や何らかの疾患がある新生児など、年間約500人以上の治療を実施している。
NICUで勤務する医師は20名、看護師は30名。24時間体制で2交代制だ。常時、赤ちゃん3人に対して看護師1人がつく。薄暗く、適温が保たれた部屋。赤ちゃんにセンサーが取り付けられており、少しでも異常があればアラームが鳴る。赤ちゃんの状態を担当看護師以外もモニターで確認することが出来る。考え得る万全の体制である。
この千船病院NICUに、虹くじらのオフィシャルカメラマンである、写真家・奥田真也が長期密着した。
面会に来た親たちが優しい眼差しで赤ちゃんの小さな手を握る姿、赤ちゃんに話しかけながらガラス細工を扱うように丁寧な世話をする看護師、小さな赤ちゃんの逞しい生命力——。奥田は「ここに通っていると不思議な力をもらう気がするんです」と言う。












奥田真也(おくだしんや)
1980年、兵庫県姫路市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、イギリスへ遊学。
ウェディング写真、広告写真を中心に活動。特に女性の優しさを引き出すことに定評がある。
虹くじらオフィシャルカメラマンとして、誌面ほぼ全ての写真を担当をしている。
取材・写真 奥田真也
